第2回 東京SoftLayer勉強会に参加してきました

第2回 東京SoftLayer勉強会に参加してきました

第2回 東京SoftLayer勉強会に参加してきました。前回は5月だったので、2ヵ月ぶりの開催ですね。

前回の勉強会メモと同様に、今回も勉強会メモをまとめてみました。

サムライスタートアップアイランドご紹介

はじめに勉強会の会場であるサムライスタートアップアイランドの紹介がありました。

2011年11月1日にオープンしたサムライスタートアップアイランド(SSI=Samurai Startup Island)は、スタートアップ企業とその支援者が集まる場所を提供しているとのことです。
(SSIの紹介ページからの受け売りです……)
会計士さんも常駐しており、スタートアップ企業におけるファイナンス関係のお悩みごともフォローできますとのことです。

現在50社ほど入居しており、コワーキングスペースとしても活用されています。羽田空港が近いことから、外国からの訪問者への対応も考えられており、海外展開を考える企業にもオススメのようです。

SoftLayerのストレージと使い分けについて

発表者は日本IBMの新島さん。SoftLayerのビギナーズガイドを書いておられるとのことです。

SoftLayerはサーバに組み込まれたストレージだけでも複数種類あり、ストレージの観点から利用可能なサービスの一望と目的別の使い分け方の解説という内容での発表でした。

SoftLayerのストレージ

  • BM(Mare Metal Server)とVS(Virtual Server)で構成が異なる
  • BMのディスク

    • SATA,SAS,SSDから選んで指定できる
    • BMのモデルによって搭載できるディスクの台数が異なる
    • 生のディスク(物理的なディスク)なので、必ずミラーリングRAID構成にすること
      • BMのディスクは本当のサーバー(手元に物理サーバを構築する場合)と同じに考えた方がよい
  • VSのディスク

    • ローカルドライブとSAN storageのを選んで指定できる
    • ローカルドライブは2台で400Gまで

    • SAN storage(iSCSI)は以下の構成から選択できる

      • 5台まで、25,100Gまで、2台以降は100-2000GBまで)の2つ
    • 仮装サーバのローカルドライブ→故障すると少し時間かかる

      • (SoftLayerの中の人が故障ドライブをせっせと交換する)
    • SANストレージの場合はバックアップ構成がくめる
      • ただしネットワークも障害点となる可能性が出てくる
  • portable diskとしての利用

    • virtual serverの2nd diskを切り離し、portable diskとして利用できる
    • 切り離したportable diskは、別のvirtual serverに取り付けることもできる

SoftLayerで利用できるストレージ

  • NAS,iSCSI,オブジェクトストレージが利用できる
  • NAS
    • CIFS,FTPでアクセス可能
    • プライベートLANに接続されている
      • (SoftLayerのサーバルーム写真における、青色のケーブルですね)
    • 現時点では未対応のため、NFSは利用できない
  • iSCSI
    • iSCSIもプライベートLANに接続されている
    • スナップショットが取得可能
    • データセンター間でレプリケーション可能
  • オブジェクトストレージ
    • OpenStackのswift互換
    • ポータルやREST APIからアクセスできる
    • CloudFuseでインスタンスにmountして使うこともできる
    • CDNを使ってファイルを配信することもできる
  • eVault(イーボルト)というバックアップツールがある

iSCSIのスナップショット

  • 30分毎にレプリケーションが実行される
  • 切り戻しは時間がかかる
  • レプリカのカスケードはできないので、マスター復帰時には必ず切り戻しが行われる
    • 切り戻しは時間がかかる!とのこと

各ストレージの使い分け

  • サーバのストレージとして

    • 大容量ならBMでSATA Drive
    • 高速IOならBMでSSDSAS Drive
    • サーバ生涯時の切り替えならVSでSAN Drive
    • 少用量で安さならVSでlocal drive
  • データ用、バックアップ用として

    • Snapshot使いたいならiSCSI
    • 複数サーバで共有したいなら
      • NASもしくは
      • VSかBMでファイルサーバを構成、
    • archive用ならobject storage

その他

  • 近日中にiSCSIの弱点を克服したソリューションが出てくるかも?

Why Riak & Why SoftLayer?

発表者はBashoジャパンの上西さん。Riakの紹介とSoftLayer上でRiakを動かすと何が嬉しいかについての発表でした。

スライドはWhy Riak? Why SoftLayer?にて公開されています。

スライドが公開されているので、自分のメモは不要かとも思ったのですが、前回のSoftLayer勉強会でのRiakのLTはただ聞くだけになっていたので、今一度自分なりにRiakについてがーっとまとめてみました。

Riakについて

  • システムの運用において可用性は大事
  • しかし、可用性に対する脅威は数多く存在する
    • ハードウェア故障
    • ネットワーク故障
      • スプリットブレインシンドロームによるデータ破壊
    • ソフトウェアのアップデートやメンテナンス
    • システムの過負荷

Riak

  • RiakはErlangで記述されたNoSQLデータベース
  • QuorumレプリケーションによりN個のノードにデータを複製することでノードがひとりくらい壊れていてもデータの書き込みが可能
  • 各ノードが管理するパーティションConsistent Hashingと呼ばれる160bitのキー空間を等分したリング状のハッシュテーブルになっている
    • レプリカはN個(=3)のノードにコピーされる

ノードが一時故障した場合

  • リング上の次のパーティションに書き込むことで、レプリカがN個ある状態を担保しておく
  • 一時故障ノードが復旧した時にレプリカを返す

ネットワーク故障の場合

  • Riakでは分断された各ノードでの書き込みを許容する
  • 復旧したら書き戻す
  • そのため、復旧時にデータの不整合(暗黙的な上書き)が発生する場合がある
    • 以下の手法で不整合を回避する
    • 不整合のパターンはいくつか存在する
      • write-write conflick →比較的対応しやすい
      • write-delete conflick →少しややこしい対応手順になる

Riakのバックアップ機能

なぜクラウドでRiakか

  • DBなどのミドルウェアが優れていてもHWがこけたら意味がない
  • なので、SoftlayerのBM上でRiakを使えると嬉しい
  • なぜBMか?VSではダメなのか?
    • 分散システムで大事なことは「故障の単位」
    • VSが動いているBMがこけると、Riakからは多重故障にみえてしまう
      • するとRiakの分散ノードがまるごと落ちるという事態が発生する
      • そのため、RiakはBMでの運用を推奨している

その他

参考リンク

QuantaStor概説/QuantaStor使ってみた

発表者はアファーム・ビジネスパートナーズ株式会社の西脇さんと日本情報通信の常田さん。

QuantaStoreアーキテクチャユースケース、使ってみた感想についての発表でした。

  • OSNEXUSについて

  • QuantaStor

    • QuantaStorはSAN(iSCSI/FC)とNAS(NFS)を兼ね備えたストレージアプライアンス
    • 64bit Intel/AMDの汎用サーバで稼働するUbuntu Server(Linux)上にインストールし、ソフトウェアベースのストレージとして利用する
    • QuantaStorはBMのみで利用可能
      • また、RAID構成を組む必要があるため、ディスクは4本以上必要
      • (SoftLayerのBMのドライブ数は2,4,6,12,24,36から選択できる)
  • 来月のSoftwareDedisnからSoftLayerの記事が連載されるとのこと

参考リンク

Object Storageを使ってみた

発表者は日本IBM高良さんSoftLayer探検隊の隊長さんとのことです。

Raspberry PiとSoftLayerのObjectStorageの連携に関する発表でした。

発表スライドは第二回SoftLayerユーザ会 ラズベリーパイとオブジェクトストレージを繋いでみたにて公開されています。詳細な手順はSoftLayer探検隊 第16回 Raspberry Pi で撮影した画像をSoftLayerのオブジェクト・ストレージに保存するにて公開されています。

発表の中で「組み込み機器とクラウドがつながる時代になった」という説明が印象的でした。最近IoT(Internet of Things:モノのインターネット)という言葉(バズワード?)をよく聞きますが、Raspberry PiとSoftLayerの組み合わせによる具体的な事例を見るのは初めてだったので、とても感銘をうけました。

SoftLayerでDockerを使ってみた

発表者はCUPA(一般社団法人クラウド利用促進機構)荒井さん

Dockerを利用したシステムポータビリティとDR(Disaster Recovery)対応について、SoftLayerを使用しての解説でした。

Dockerは個人的に試してみたいと常々思っていたので、SoftLayerの話は一旦どっかに置いておき(Dockerだけに)、別途ブログ記事を分けてみました。

まとめ

第2回東京SoftLayer勉強会に参加してみました。何となくSoftLayerがどんなものが見えてきた気がします。とはいえ、実はまだSoftLayerを使ってみたことが無いので、そろそろ触ってみようかなと思います。

第1回SoftLayer勉強会に参加してきました

第1回SoftLayer勉強会に参加してきました

第1回SoftLayer勉強会が開催されたので参加してきました。

勉強会の告知ページの写真がラウドパークを彷彿とさせる感じだったので、Tシャツにジーンズという風貌で参加したところ、ほとんどの参加者が背広!まるで衣替えの日に一人だけ冬服で登校した中学生のような気分になってしまいました...(クラウド系の勉強会は背広の人が多い傾向があるようです)。

以下は勉強会のメモですが、クラウドまわりの知識に疎いので私の理解に間違いがある可能性にご留意ください。

SoftLayer Introduction

  • 発表者は@urasakoさん
    • 今回の勉強会の企画を行った方
  • (まずそもそも)クラウドってなに?

  • SoftLayerについて

    • SoftLayerはIaaS(Cloud Infrastructure as a Service)を提供する
    • 米国、アジア、ヨーロッパ合わせて13のデータセンタがある
    • SoftLayerの利用形態
      • server
      • storage
        • Object Storage
          • OpenStack swiftベースのオブジェクトストレージを持っている
        • SAN(Storage Area Network)
        • NAS(Network Attached Storage)
        • CDN(Contents Delivery Network)
        • QuantaStor
    • SoftLayerのWebポータルサイト上で世界中のリージョンが見える
    • CDN単独の提供も可能
    • Automation & API
      • Auto-scaling機構はないけれどAPIで操作できる
  • SoftLayerに関する日本語の資料について

  • SoftLayerユーザ会について

    • 日本SoftLayerユーザ会(JSLUG)が発足!
    • 今後のSoftLayer関連の勉強会、イベント
      • SoftLayer勉強会 in Hokkkaido(2014/06/12)
      • SoftLayer Night Hands-on
        • 2014/06/20
        • 2014/06/24
        • 2014/07/01(予定)
        • 2014/08/01(予定)
      • JTF(06/22)で'Hands-on
      • 第2回SoftLayer勉強会(2014/07/25)

Email Delivery on Email

  • 発表者は@nakansukeさん
  • SoftLayerとSendGridの話
  • SendGridとは

    • SoftLayerとSendGridの関係
      • SendGridはSoftLayerで動いている
      • "Built on SOftLayer,"
    • 2011年6月にSoftLayerとSendGridはパートナーに
    • SendGridのVP ofProduct&MarketingがもとSoftLayer
    • Email Infurastracture as a Service(仮)
    • ヘッダを見るとSendGridから来ていることが分かる
    • 発表者はSendGridに関わるようになってから、届くメールヘッダを見る癖がついたとのこと
    • SoftLayerからメールを送るときは実質SendGrid一択!
      • 通数で料金が決まる
  • メールについて改めて復習

    • 日本語ではメールに依らないメッセージサービスが多いため、メールはオワコンと考える人が多いようだ
    • また、スパムのイメージも強い?
    • しかし、海外ではコミュニケーションツールの一つとして活用されている
      • 加えて、HTMLメールが良く利用される
        • 日本国内ではテキストメールがメイン
  • メールの到達性について

    • 約20%のメールは届かない
      • ISPのスパム対策で正常な配信が困難になる
      • メールサーバの設定だけでなく、「到達性を高める」取り組みも必要
      • 時にはインフラ面での対応も必要になる
        • 社内LANから(スパムの踏み台等で)外部に変なメールを出すのを事前に阻止する等
        • スパム送信PCを放置したままにすると、ISPブラックリスト入り→メールの正常な配信が困難という状況になる
  • 構造計画研究所について

SoftLayer x Bit-isle = ? Bit-isleが提供するハイブリッドクラウドソリューション

  • 発表者は成迫剛志さん

  • ビットアイル総合研究所

  • OpenStackに強く(ノウハウがある、という意味で)、所内の一定数の人にはOpenStackの研修を受けてもらっているとのこと

  • SoftLayerの色

    • SoftLayerのデータセンターではラックの配線をキレイに色分けしているという話
    • 緑色は管理ネットワーク(1本)
    • 青色はプライベートネットワーク(2本)
    • 赤はパブリックネットワーク(2本)
  • 5本×3種類のネットワーク構成になっている
  • ラックは最初にきっちり配置し、後から追加・変更しないため、配線がキレイに揃っている

  • SoftLayerのプライベートネットワーク活用例

    • ビットアイルのデータセンターとSoftLayer間のプライベートネットワークの活用例
    • ビットアイルデータセンター側にDBやioDriveなどの高速IOサーバーを用意し、SoftLayerとはBI Direct Accessで接続することでIOのレイテンシ低減

    • インターネットを介さない社内LAN/WANとの直接接続

      • WANのプライベートネットワークからビットアイルのデータセンターに接続し、そこからSoftLayerのプライベートネットワークに接続するような構成
      • セキュリティの観点から「インターネットは経由したくない」というケースに対応
      • 各拠点システムDBを集約してBI/データウェアハウスを構築
        • こちらもWANのプライベートネットワーク→ビットアイルのデータセンター→SoftLayerという構成
        • DBのリモートレプリケーション先をビットアイルのデータセンターにする
      • x86サーバとのハイブリッド構成
    • SoftLayerが提供するインターネットを介さないプライベートネットワークを活用する話
      • 国際回線費用の大幅な削減になるとのこと

LT:今さらでも聞きたいSoftLayer network〜VLANとVPNを何とかしたい〜

  • 発表者は新島智之さん
  • 利用者の観点からのSoftLayerネットワーク構成に関する話
  • SoftLayer上に最初のサーバを作成した段階で、パブリック/プライベートVLANが作成される
    • IPは利用者側では付けられない
    • パブリックVLANには119.x.45.74/29のサブネットが割り当てられる
    • プライベートVLANには10.x.158.2/26のサブネットが割り当てられる
  • サーバの数が増えてゆくと、自動的にサブネットが追加される
  • Portable IPを使うと、VLANで使えるサブネットを追加できる
    • 例えば、119.x.63.2/29(パブリックVLAN)、10.x.172.2/26(プライベートVLAN)のようなサブネットを追加できる
    • 追加したサブネットはAliasで設定する仕組みのため、別のサーバに移動できる(IPアドレスの割り当てを動的に変更できる)
  • VLAN間のルーティング
    • VLAN spanningという機能をONにすることで、VLAN間のルーティングが行えるようになる
    • 異なるデータセンターのVLAN間もルーティング可能
  • 複数VLANとの通信
    • Trank portを利用することで、複数のVLANと接続できる
    • 最初のVLANはnative VLANとして扱われ、追加したVLANはtag VLANとして扱われる

コマンドラインで始めるSoftLayer

  • 発表者は@lyumeiさん
  • RESTでSoftLayerを操作する話
  • curlでのREST API呼び出し例
    • SL_USERNAME,SL_API_KEYはあらかじめ環境変数として値を設定しておく
$ curl "https://${SL_USERNAME}:${SL_API_KEY}@api.softlayer.com/rest/v3/SoftLayer_Account.xml?objectMask=fitstName;lastName;id"

(以降にXMLが続く)

LT:ベアメタルサーバを作ってみた

  • (集中力が途切れてしまってメモを取らずに話を聞くだけになっていました...)

LT: Riak on SoftLayer

  • (こちらも話を聞くだけになっていました...)
  • 発表者は@monmondawaさん
  • 分散データベースriakの話

まとめ

第1回SoftLayer勉強会の参加メモをまとめてみました。SoftLayerって何?という状態で参加していたので、後から自分が読み返しても分かるようにメモをまとめるのが大変でした。初めて参加する勉強会には予習が必要だと痛感しました。SoftLayerは興味を惹かれるので、第2回も参加してみようと思います。

更新履歴

  • 「メールの到達性について」の項目で説明と逆の意味にとれる文章になっていたのを修正しました。(5/27)